620 (ワイヤーハーネス)
IPC-A-620 : ケーブル・ワイヤーハーネス組立の要求事項及び許容基準
NASAも採用。唯一無二のワイヤー・ケーブル標準規格
IPC/WHMA-A-620「ケーブル・ワイヤーハーネス組立の要求事項及び許容基準」は、IPC-A-610「電子組立品の許容基準」に次ぎ、世界で最も多くの企業で採用されている。本規格は、産業界で合意・承認された唯一のケーブル・ワイヤー等の組立における品質基準である。この重要な業界標準規格は、ワイヤーハーネス製造者協会(WHMA)とIPCによる協同規格である。
アメリカ航空宇宙局であるNASAは、2008年にNASA-STD-8739.4を中止しIPC/WHMA-A-620を採用することを発表している。リンクはこちら。または、NASAが発行しているIPC標準の適用(J-STD-001およびIPC/WHMA-A-620)に関するドキュメントをダウンロード。
A-620の規格概要
本規格は、ケーブル、ワイヤハーネス組立製造に品質要件と優良事例を記載している。圧着端子接続、はんだ付された相互接続、ケーブルおよびハーネスに関連した組立作業、タイラップ/結わきの実施方法、材料、手法、試験等、規定される許容基準に準拠する組立品製造で使用することができる。IPC-A-610およびIPC J-STD-001と関連した要件を整理しており、IPC/WHMA-A-620と併用することで相乗効果が期待できる。
許容条件の基準
700を超えるフルカラーの写真とイラストがあり、19の章で、被覆、はんだ付、圧着端子接続、圧接接続(IDC)、超音波溶接、スプライス(つなぎ接合)、コネクタの接続、モールディング、マーキング、 同軸および二軸ケーブル、結束、電気シールド、保護カバー等において、最終製品の性能基準で指示される許容特性を超える望ましい状態を示している。
IPC/WHMA-A-620 のサンプル
更新年:2024年
全388ページ
Robert Cooke (NASA)
Joseph Kane (BAE Systems)
Thomas Carroll (Boeing Company)
Jose Olivares (Continental)
William Brennan (GE)
Richard Rumas (Honeywell)
Toshiyasu Takei (Japan Unix)
Shelley Holt (L-3 Communications)
Cindy Hale (Raytheon Company)
David Hillman (Rockwell Collins)
Gaston Hidalgo (Samsung Electronics)
Scott Meyer (UTC Aerospace)
他多数
クラス3の許容条件のサンプル
圧着端子接続
絶縁被覆と端⼦バレル端間がワイヤー径の2.5倍ある。
×:クリアランスがワイヤー径の2倍を超えていると不良。
スプライス(つなぎ接合)
絶縁被覆の切れ⽬が、ワイヤー径の2倍以上ある。
○:絶縁被覆を含めたワイヤー径2倍を超えた被覆の切れ目は不良。
はんだフェルールピン
点検窓内の絶縁被覆がピン表⾯から突き出ている。
○:その製品自体は、不良ではないが、工程改善が必要と判断。
同軸・二軸ケーブル
中⼼導体が溝付きターミナルの縁にそろっていない。
○:中⼼導体が溝付きターミナルの縁にそろっていないと不良。