カーエレクトロニクスを支える最先端のはんだ実装技術
自動車の車載機器のはんだ付けには、厳しい品質管理と信頼性が要求されます。電子化が進む自動車産業において、高レベルなはんだ付け技術を自動化した事例を解説します。
自動車=電気・電子技術の集合体
自動車は、駆動源がモーターになったHV(ハイブリッドカー)を筆頭に、従来はメカ技術で動いていた多くが、電気・電子技術へと変化しています。また、エアバッグやABS、衝突防止装置、カーナビといった機能のほとんどは電気・電子技術をベースとしており、今や自動車=電気・電子技術の集合体といっても過言ではありません。
そんな中、存在感を増しているのが、はんだ付けによる実装技術です。車載機器のはんだ付けは、一般的な電子機器よりもはるかに厳しい品質管理と信頼性が要求されるため、特別な技術とノウハウが必要です。
自動車の電子化が進んだ分野
(1)HV化に関わる駆動部分
HVやEV(電気自動車)の駆動に必要な、モーターとモータードライバをはじめ、DC-DCコンバータ(直流電圧変換器)や、ECU(電子制御ユニット)などで、電気・電子技術が使われています。
(2)燃費向上に関わる部分
燃費向上のため、エンジンで動かしていたものが電動となり、さまざまな部品が電化しています。例えば、カーエアコンのコンプレッサや、エンジンの冷却水循環に必要なウォーターポンプなど、エンジンの回転を利用していた部品が、電動式へと変わっています。
(3)安全機能に関わる部分
ABSやエアバッグといった、センサが異常を検知した途端に電気信号を送り、一瞬のうちに発動する安全機能は、電子制御ならではの象徴的な機能といえます。また、衝突防止機能、運転支援システム、自動運転技術なども、数多くの電子部品による制御で成り立っています。
(4)居住性・快適性に関わる部分
自動車の居住性や快適性に関わる部分にも、電気・電子技術が盛り込まれています。例えば、カーナビやカーオーディオ、キーレスエントリー、駐車を補助するバックモニタやコーナーセンサ、シートの位置調整など…。自動車の快適性を高めるニーズは高く、今後もさらに増えていくと予想されます。
高レベルのはんだ付け技術を自動化
自動車は、一歩間違うと人命に関わる、社会的責任の大きい技術。だからこそ、故障やトラブル防止のために、車載用電子部品のはんだ付けには、一般産業より格段に高いレベルの品質・信頼性が求められます。
さらに、近年は機構と電子部品・基板をモジュール化した部品が増えているため、従来の品質を保ちながら、入り組んだ場所へのはんだ付けや搬送といった、よりレベルの高い技術が求められています。
こうした状況を踏まえ、ジャパンユニックスは、電子部品のピッキングと組み付け、はんだ実装を一連の流れで自動化する、レーザーはんだ付けロボット「UNIVERSE S (ユニバースシリーズ)」を開発。工程作業時間の大幅短縮や装置の省スペース化、良品率改善などを実現しています。
エレクトロニクス化が進む自動車の現状や自動車業界特有の課題、「UNIVERSE S」の仕組みなど、詳しくお知りになりたい方は、こちらからPDFファイルをダウンロードいただけます。