ASEAN諸国の特徴とはんだ付け事情
世界の製造業を支えるエリアとして存在感を増すASEAN諸国。しかし、一口にASEANといっても、その特徴は国によって違うもの。ASEAN各国の特徴と、はんだ付け事情について解説します。
近年、存在感を増しているASEAN諸国
ASEAN諸国は近年、生産拠点としてのコストメリットと「地産地消」の観点から、世界の製造業を支える一大エリアとして存在感を増しています。
ASEANに属する主な国々の特徴と、はんだ付け事情について紹介しましょう。
シンガポール
シンガポールは、政治的・経済的に安定しており、IMF統計にもとづく2021年の1人あたり名目GDPが世界第5位と、ASEAN地域では突出した存在。医療機器や先端技術の製造拠点となっており、難度の高いはんだ付けが要求される傾向があります。また、人件費は高く、レーザーはんだ付けなど、高品質なはんだ付けの自動化設備の導入が進んでいます。
タイ
タイは、自動車や家電業界が生産拠点を開設しているほか、世界のハードディスクの約9割が生産されているといわれています。人件費はシンガポールに次ぐ高さで、自動化工場が増えている一方、簡易作業の人材を隣国からの労働者でまかなえる側面も。ハイパワーヒーターを搭載した卓上型ロボットや多関節型はんだ付けロボットの導入が多く、高出力レーザーの導入を求める声もあります。
マレーシア
マレーシアも、ほかのASEAN諸国と同様、人件費が高騰傾向にあります。日系企業の進出割合が高く、汎用家電品など、ローエンドな大量生産品が多めです。コスト競争が激しく、はんだ付けロボットの導入だけでなく、はんだ付けの自動化ユニットを購入し、現地のSI(システムインテグレーター)がロボットや装置に搭載して、自動化サポートを行うケースも増えています。
インドネシア
インドネシアは、世界第4位の人口を持つ国です。国内で二輪車市場が活発化しており、二輪車関連の電装部品や自動車関連企業も増えています。家電関連はマレーシアと同様、ローエンド品の生産が主体。熟練労働者の育成に課題があり、量産向けに、小型はんだ付けロボットや自動化設備の導入が進んでいます。
ベトナム
ベトナムは、賃金水準がASEAN諸国の中でも安い国です。人件費の安さから、はんだ付けも手作業で行っているケースが見られますが、最近では小型はんだ付けロボットも導入され、大量生産を支えています。
フィリピン
フィリピンは小さな島々が多く、輸送が船便中心なので、コストが高くなりがちなのが難点です。アメリカ系企業が多く、メーカー本国で自動化ラインのプロジェクトを発足し、その生産ラインをフィリピンで設立する形で自動化を進めているケースが多くなっています。
ミャンマー・カンボジア
ミャンマーやカンボジアでは、熟練工に代わり、ロボットによるはんだ付け導入が増えており、はんだ付け機器のオペレーター育成が始まっています。
各国に合わせたはんだ付けの効率化
一口にASEAN地域といっても、各国の事情や言語、国民性、地理的条件、生産環境はさまざま。それぞれの事情を考慮した上で、適切な自動化アプローチを行う必要があります。
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