医師の技術を支えるエレクトロニクスの裏側

医療機器のはんだ付けは、特殊なはんだ材料を使用し、狭小かつ高密度の実装など、要求される品質も厳しいもの。医療機器産業ならではの特性について解説します。

最先端医療とはんだ付け

医療機器は人命に直結するため、最新の注意を払って設計、開発、製造されなければなりません。また、使用開始後は長期にわたって、仕様どおりの機能・性能を維持することが求められます。医療機器は、MRIやCTスキャンといった大型で精密な検査装置から、超音波診断装置、医療用内視鏡、血圧計といった診断器具・治療器具まで、多くの製品が電子化されており、それらの製造にははんだ付けが必要不可欠です。
電子機器において最も不具合が発生するのは、電子部品と基板の接続部。未熟なはんだ付けによって、接触不良や断線が起こらないように、高品質なはんだ付けが求められています。

医療機器のはんだ付けの種類

(1)大型診断装置向けはんだ付け

MRIやCTスキャンのような大型診断装置は、1台で数千万~数億円と高価です。また、搭載されている基板も1品ものの特殊な設計のため、1枚あたり数百万円という場合が少なくありません。生産量は多くないものの、はんだ付けの品質への要求は極めて高いため、人手による作業からロボットへの移行が進んでいます。

(2)小型製品向けはんだ付け

心臓のペースメーカーや血圧計、内視鏡、カテーテル治療に利用するレーザーなど、人の体内に入ったりふれたりする小型の装置も、電子化が進んでいます。こうした製品は、基板や構成部品が小さく、細く、薄いのが特徴。極小部品を高密度に実装する必要があり、しかも大量生産が必要という事情から、手作業でのはんだ付けは困難であり、自動化が進んでいます。

なお、医療機器の製造に使用されるはんだは、強度や腐食耐性などの特性を与えるため、通常の鉛フリーはんだより金や銀の比率が高めとなっています。組成が違うということは、適切な温度や流れ込み方、硬化の仕方も変わるということ。そのため、別途アプローチを考える必要があるのは、大型診断装置・小型製品のどちらにおいても共通です。

医療機器を支えるはんだ付けロボット

高い要求品質、狭小かつ高密度実装、特殊なはんだ材料、時には大量生産が必要など、医療機器のはんだ付けに求められる要素は多岐にわたります。そうした厳しい要求をクリアできる技術者は少なく、育成にも時間がかかるもの。そのため、優れた技術者の技をロボットに反映するのが効果的な手法とされ、多くの医療機器メーカーで、柔軟性の高いはんだ付けロボットの導入が広がっています。

現在、アジア向けの医療機器はシンガポールで生産されることが多いのですが、ヨーロッパや日本にも優れた医療機器メーカーがあり、製造拠点は世界中に広がっています。ジャパンユニックスは、はんだ付けロボットの専業メーカーとして、こうした拠点を含め、グローバルに事業を展開しています。

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最先端医療を支えるはんだ付けロボットや医療機器のはんだ付けの課題、世界に広がる医療機器の製造拠点など、詳しくお知りになりたい方は、こちらからPDFファイルをダウンロードいただけます。